成果を追い求めているが、
何か足りない気がする
このままで良いのか・・・
相談者 34歳 会社員 女性
Q:
昨年ようやく
念願のマネージャーになりました。
チームのパフォーマンスを高め、
業績を達成するため、
これまでいろいろなことに
取り組んできました。
メンバー間のコミュニケーションが
大切だと思い、
さまざまな研修やお茶会
などもやりました。
1on1でメンバーとの対話も深め、
皆の意見も聞きながら、
良いと思ったことは
積極的に取り入れてきました。
おかげさまで、
目標としていた予算も大幅にクリアし、
社長からも褒めていただきました。
メンバーも業績を達成したことは
非常に喜んでくれているのですが、
その顔は疲労感がにじみでています。
その表情を見ると、
何かむなしさを感じます。
何か大切なものを忘れている
感触が自分の中にあります。
このままでよいのでしょうか?
何かアドバイスをお願いします。
。。。
「欲張らずに、足るを知る」
禅メソッドマスターの
幸知 輝(僧名:幸覚)です。
まずはこの1年間
お疲れ様でした。
マネージャーとなって最初の年、
ものすごく頑張ってこられたのが
ありありと伝わってきます。
チーム内のコミュニケーションを
大切にし、研修を取り入れるなど
自分なりに工夫して努力されてきたのは
すごいことだと思います。
ベテランのマネージャーでも
なかなかできないことを
一年目にして実践できているのですから。
それだけの結果を出していながら
「虚しさ」を感じている、とのこと。
メンバーの表情を見て
そう感じたんですね。
最近そういう方が
多いですね。
会社や上司の期待に応えようと
みんな必死に頑張っています。
でも、その表情を見ると
本当に疲れ切った顔をし、
身体も重そうに歩いています。
これで皆、
本当に幸せなんだろうか?
僕もそう思って
息苦しくなったことがあります。
僕自身、
大学を卒業して
会社員となり、
まもなくしてバブル期を迎え、
・阪神・淡路大震災、
・バブル崩壊、
・アメリカ同時多発テロ
・リーマンショック、
・東日本大震災、
そして、
コロナ禍・・・。
改めて振り返ると
本当にいろんなことがありました。
時代がどんどん
移り変わっている気がしています。
それとともに、
価値観も徐々に
変わってきていると思います。
「SINIC(サイニック)理論」
をご存知でしょうか?
オムロンの創業者である
立石一真さんが1970年に提唱した
未来予測理論です。
https://www.omron.co.jp/about/corporate/vision/sinic/theory.html
その中で、
将来どんな社会が訪れるか、を
予測しています。
この理論によると、
現在は「最適化社会」にあたります。
「効率や生産性を追求する価値観」
が相対的に低下してくる一方で、
「人として生きる喜びを
追求する価値観」
が相対的に大きくなっていく社会、
とされています。
物質的な豊かさよりも、
”心の豊かさ”が重視される時代に移ろう
その真っ只中にいるのですね。
コロナ禍によって
その変化のスピードは
増していくのではないでしょうか?
なので、
このままで良いのか、という
疑問を持たれた
その感性は、自然であり、
素晴らしいことだと思います。
「少欲知足」
(しょうよくちそく)
という禅語があります。
文字通り、
『あまり欲張らず、
今のままでも十分に
満たされていることを知る』
という意味です。
”欲”というものは
そのままにしておくと
際限なく膨らんでいきます。
リーダーが
欲望のままに
チームを運営すると
どんなに頑張っても
もっともっとと
更に上を追求することとなり、
いつまでたっても
心は満たされず、
自分もメンバーも
疲弊していくことになります。
伊那食品工業の
塚越寛氏の「年輪経営」が
参考になると思います。
https://www.amazon.co.jp/dp/4334975585
これからの時代を生きる
ビジネスリーダーには
必須の禅語ではないでしょうか?
一緒に考えていきましょう!
興味あればメッセージ等下さいね。
それでは、また。
禅メソッドマスター
幸知 輝(僧名:幸覚)