「禅語ブログ『日々是好日』」vol.4「放下著」(ほうげじゃく)

6月 10日, 2020 更新 アーカイブ, 禅語ブログ

~捨てることで手に入る宝~

 

相談者 58歳 男性 会社員

Q

60歳の定年を前にその後の人生を

どのように送ったらよいのか・・・

 

わき目も振らずに仕事一筋に働き

同期よりも早く役職となりました。

 

その後も重要なポストに就き

職場や取引先からの信頼も厚く

 

無我夢中で仕事一筋のビジネス

人生を送ってきました。

 

定年のゴールが見えてから、

退職後どのような人生を送る

ことになるのか不安に駆られ

虚無感が高まっています。

 

今までこんな思いに駆られたことはありませんでした。

何か良いアドバイスがあったらお願いします。

 

。。。

 

こんにちは、禅メソッドマスターの水野です。

 

 

責任感の強いあなたのことですから

定年が近づき不安になる気持ちは

理解できます。

 

仕事や人生の岐路は多くあったはずです。

これまで多くの試練を乗り越え多くの

決断をしてきたことでしょう。

 

愛情をもって育てた多くの部下は

感謝していることでしょう。

 

誇れるビジネス人生であったと思います。

 

仕事一筋で来られた方の多くは、

同じようなお悩みを持たれる方は

多いと思います。

 

人生100年時代と言われる昨今

多くの人もどう生きるべきか迷い、

悩んでいます。

 

 

私自身も同じ悩みを抱えていました。

 

私は大学を卒業後、地元の企業に

40年勤務し昨年退職しました。

 

役職定年を迎えた55歳の頃、

同じように悩みました。

 

自分が育てた後輩にポストを譲り

会社の一線から身を引くことが

不安だったのです。

 

自分の存在が否定されるような

気がして・・・

 

受け入れることができなくて、

誰にも相談できずに悩んでおりました。

 

現役時代は、会社という看板を背負い

拠り所に生きてきました。

 

退職で拠り所にした看板がなくなり

どのような人生を送ることに

なるのか不安でした。

 

悩んでいた時にと出会いました。

心の整理と踏み出す勇気を得る

ことができました。

 

会社の看板を拠り所にしていた自分。

”会社人間”だったんです。

 

。。。

 

『禅』から多くのことを学んでいます。

”地位や肩書を捨てること”

で新しい人生が拡がることに気付きました。

もやもやが消えたのです。

 

 

『放下著』(ほうげじゃく)

 

という禅語から教えられました。

 

【わがままやプライド、余計な心配事などを

放下(ほうげ)してごらんなさい】

 

という意味です。

 

 

捨てることで本来の姿が浮かび上がってきます。

 現役時代のしがらみから解き放してくれました。

 

そして、

 

「生まれ育った地元への恩返しをしたい」

 

との想いが高まりました。

 

私の地元、山形県の鶴岡市は修験道の

 

『山伏修行』

 

が有名です。

 

山伏修行を体験できるプログラムを開発し、

日本だけでなく、世界中から観光客が

訪れて頂けるよう地域振興に取り組んでおります。

 

新しいことを始めると、

いろんな人との出会いがあります。

 

会社員時代に味わうことのできない

楽しさを感じています。

 

 。。。

 

誰かの役に立つ、楽しそう、面白そう!

やってみたいことなどを想像してみてください。

 

 何かを捨てることで、

新たなことにチャレンジできる

それが『リタイア』です。

 

自分らしく、思うがままに、生きることは、

とても、ワクワク楽しい人生となります。

 

 

まだあなたには、

やるべきことがあるのです。

 

禅メソッドアカデミーマスター 

水野幸雄