「禅語ブログ『日々是好日』」vol.28「悟無好悪」 (さとれば、こうおなし )2

7月 28日, 2020 更新 アーカイブ, 禅語ブログ

「職場に嫌いな人がいます。
仕事上の付き合いと
割り切ってはいるものの
毎日、もやもやしてしまいます。」

 

相談者 35歳、会社員 (独身)

 

Q.

私の会社は概ね良い人が多いと思うのですが、
異動するたびに、職場に嫌いな人がでてきます。

 

今の職場にもいます。
仕事上の付き合いだと割り切っているものの
どうしても毎日もやもやします。

 

その先輩は、後輩へのあたりが厳しくて、
後輩指導が始まると職場の空気が悪くなります。

 

言っていることは正しいことかもしれませんが、
後輩は自信を無くすだけで、
モチベーションが上がるとは思えないです。

 

いじめだと感じる時もあります。
もっと育てる意識で指導をすべきです。

 

しかも、みんなが協力しあうべき職場で、
場の空気を悪くして発言するその態度も許しがたい。

 

その上、目上の人にはいい顔をして、
態度も人によって違う。
人としてどうなんでしょうか?

 

思えば、タイプは違いますが、
これまでの職場にも結構
許せない人がこれまでたびたびいました。

 

何かアドバイスがあれば、お願いします。 

 

。。。

 

こうあるべきだ
こうでなければならないを手放して
向き合ってみませんか?

 

 

こんにちは。禅メソッドマスターの松嵜恵子です。

 

この世界に
「嫌いな人はまったくいません」
という人はあまりいらっしゃらないでしょう。

 

好きになれない人がいてモヤモヤする
というのは、誰しもあることです。

 

お話にでてきた先輩は、おっしゃる通り、
見直すべきことがあるのだと思います。

 

ここはひとつ、
見方を変えてみるのは
いかがでしょう?

 

「相手」ではなく
「自分」に集中してみるのです。

 

”相手を変える”のではなく

”自分が行動できること”に集中してみるのです。

 

まず、思い出してみて下さい。

 

異動するたびに、
出現するタイプの違う許せない人。
どのような方だったのでしょう?
自分は、どのようなところが許せないのでしょう?

 

きっと、あなたの理解が正しくて
その人たちには改善すべき点があるのだと思います。

 

しかしながら、完璧な人間はいません。

 

わたしも、あなたも、その人たちも。

 

あなたは人としての責任感が人一倍あるがゆえに

 

こうあるべきだ

こうすべきだ

 

という思いが強いのではないでしょうか?

 

では、あなたが本当に実現したいことは、
何ですか?

 

「問題のある人を正すこと」ではなく、

 

職場の仲間が協力してイキイキと働く

 

ということではないでしょうか?

 

禅の言葉に

 

悟無好悪

 

(さとればこうおなし)

 

というものがあります。

 

「悟れば
好き嫌いなどなくなります。
感情をいったん手放して
向き合ってみませんか」

 

という意味です。

 

あなたが本当に実現したいことのために
自分が出来ることに集中しましょう。

 

「こうあるべきだ」

「こうすべきだ」

 

という考えをいったん脇に置いて
その人に向き合ってみましょう。

 

その人の仕事ぶり、能力、スキル、強み、実績を
冷静に書き出し、客観的にみてみましょう。

 

仕事と割り切って、
その人の懐に飛び込んでみてください。

 

そんな風に向き合ってみれば、
その人の良さが見えることもあるでしょう。

 

「ただ脇で見ていて嫌悪するだけの自分」から、
向き合うための行動をとる自分」に変われば、
やがて相手の態度も変わります。

 

その先に、あなたが望む

 

皆が協力してイキイキと働ける職場

 

があるはずです。

 

あなたが人に強い嫌悪を感じれば、
「それはあなた自身を苦しめる事」になります。

 

怒りや嫌悪の感情はとても強いため
あなたの心身に悪い影響をもたらすことに
気づいて下さい。

 

「怒りや嫌悪の感情や思考」ではなく、
目的を達成するための健全な行動」が、
あなたに健やかな毎日をもたらしますように。

 

禅メソッドマスター 松嵜恵子