心身ともにバランスを崩した
大人になった我が子との関わり方がわからない
一体、私はどうしたらいいの・・・?
相談者
51歳 主婦 夫と二人暮し 長男、長女ともに独立
Q、
結婚して33年、いろいろありましたが、
子育ても無事に終わり、
人生も終盤に入ったのに
心配と不安から解放されません。
今、一番気になっているのは
29歳の息子のことです。
希望の大学を卒業し、やれやれ就職したと思ったら、
鬱の症状があり、
半年ほど休職しています。
心配はしているのですが、
どんなふうにサポートしたら良いのか?
考えるばかりで、
何もできないんです。
以前、息子から
「どうせ、あんたは
俺の気持ちなんかわからないんだよ。
結局一番大事なのは世間体なんだろ・・・」と
言われたことがありました。
もちろん、そんなわけ、ありません。
でも、ショックで、何と言ったらいいのか
わからなかったんです。
ただ黙っていただけでしたが、最悪の雰囲気でした。
何かしなきゃいけないと思うのですが、
正解がわからないんです。
私はどうしたらいいのでしょうか?
。。。
ご質問ありがとうございます。
禅メソッドマスターの
鈴木慧嘉(すずきけいか)俗名 鈴木三穂子です。
息子さんのことで、悩んでいらっしゃるのですね。
我が子のことを案ずるお気持ち
お察しいたします。
たとえいくつになっても我が子のことは
心配ですよね。
心のバランスを崩しているとなると、
どんなふうに関わって良いのか
一層難しくなってしまい、
いつの間にか疎遠になってしまった。
小さい頃のような関わりができない。
だって、もう立派に成人し、独立したのだから・・・
そんなふうに
思ってしまうのも無理はないかもしれませんね。
何かできることを探してみましょう。
思いは自然なものです。
まずはシンプルに
連絡をなさってみてはいかがでしょうか?
電話やLINEで気持ちが伝わらないと思うなら
思い切って、会いに行くのはどうでしょう?
え、そんなことしたら
息子に拒否されるんじゃないかしら・・・?
そう思いましたか?
でも、現状を把握していないと
本当に必要なことが何か
わかりませんよね。
そのためにも、ここは
覚悟を決めて
とにかく連絡してみましょう。
実は「覚悟(かくご)」という言葉は
禅語です。
改めてご紹介しますね。
覚は覚り(さとり)
悟は悟り(さとり)
なんと『さとりさとり』が、
覚悟なんです。
少なくとも今の段階では、
あなたの心配や不安はあなたの
想像の域を超えていません。
すでに成人した息子だったとしても、
心のバランスを崩しているとなれば
心配もなおさらでしょう。
いつもそばについていて、
干渉するのはどうかと思いますが
息子のことを思う気持ちは、
いたって自然な感情です。
にもかかわらず、
あなたが行動しないのはどうしてでしょうか?
あなたが恐れているものは何ですか?
嫌がられるのが怖い?
嫌われたくない?
また、否定されることも嫌?
・・・・
これ、すべて
「あなたの課題」ですね。
息子さんの課題ではありませんね。
ですから、大丈夫ですよ。
たとえ、その行動の結果、
息子さんに本当に嫌われたとしても
親子の縁が切れることはありません。
この血のつながりが絶たれることは無いのです。
ここであなたが乗り越える課題は、
「この人は私の息子だ
この人は私の子なのだ」と
『覚悟』を決めること。
そんなことは、今更言われなくても
わかっていると思いましたか?
それならなおさら
大丈夫です!
なぜなら、
覚悟を決めるということは、
過去のことも、
未来のことも
全てを手放すということだからです。
今に集中するのです。
今、自分ができることは何か?
息子さんから行動してくるのを待つのではなく、
まずは自分から行動を起こすのです。
あなたの覚悟が決まれば
おのずと状況は変わってくるでしょう。
状況が変わるというのは、
息子さんが態度を変えると言う
単純なものではありません。
あなたが覚悟を決めれば、
あなたの心が変わります。
あなたの心が変われば
あなたの世界は変わって見えてくるはずです。
いつも恐れを抱いて、その恐れから逃げるように
自分の行動を制限していたのなら、
今こそ覚悟を決めて、
一方踏み出す時ではないでしょうか!?
。。。
思いと不安を分離して考えてみる。
「会話もせずに相手の気持ちがわかる」
「目を見ただけで考えていることがわかる」
残念ながら、そんなことは
たとえ血が繋がった親子でも難しいのです。
心を込めて表情豊かに、
相手に伝わりやすい言葉を使って、
必死に考えて、伝えて、
やっと伝わるか、伝わらないかです。
それでも、
伝える行為をしなければ
何も伝わりません。
あなたは薄々それに感づいていて
何も行動していない自分に
後ろめたさを感じているのではありませんか?
では、なぜ行動を起こせないのか。
何を恐れ、何を迷い、何をためらっているのか。
以前、息子さんから言われた一言に
ショックを受けて動けないのでしょうか。
では、
「息子さんに対する思い」と、
「自分が拒否されるかもしれないという不安」
を分離して考えてみましょう。
何か新しい景色が見えてきませんか?
心を苦しめるほとんどのことは
過去や未来のこと。
そして執着する心です。
あなたにとって
「今、一番大切なことは何か」
という問いに立ち返ってみる。
あなたにとって、
家族が本当に大切な存在なのであれば、
過去にあなたが、
言っていたことや、やっていたこと。
あるいは考えていたことは
どうでもいいんです。
今、この瞬間に
あなたが思うことを、勇気を出して
行動に移してみてはどうでしょうか?
自分の心の中に潜む
恐れや不安に屈することなく
「覚悟」を決めて
大切なことを守ってゆきましょう。
禅メソッドマスター 鈴木慧嘉(すずきけいか)