「禅語ブログ『日々是好日』」vol.18 「不二(ふに)」

6月 24日, 2020 更新 アーカイブ, 禅語ブログ

白黒ハッキリさせたい

 

相談者 37歳 会社員 男性

 

Q:

企業でSEをしています。

仕事柄なのか、

人とのコミュニケーションが

面倒くさいと思うことがあります。

 

特に感じるのが、

会議のときです。

 

自分的には白黒ハッキリさせたいのに、

どうして日本人は

グレーが好きなんですかね。

 

いちいち人の気持ちを考慮して、

どっちにも良い結論を探して…

 

議論のたびに

うんざりしている自分がいます。

 

周りにも伝わってるのか、

最近は自分の意見に賛同してくれる人が

少なくなったというか…

場を凍りつかせている自覚があります。

 

会議を早く終わらせる方法とか、

自分の意見を通りやすくする方法を

知りたいと思っています。

 

何か良い方法はないでしょうか?

 

・・・

 

こんにちは。

禅メソッドマスターの

遠藤優子です。

 

とても率直なお気持ちをお話くださり、

ありがとうございます。

 

バッサリと会議の無駄を指摘

されていらっしゃいますね。

同じことを考えている方、

実は、案外多いかもしれません。

 

私も、どちらかというと

同じ傾向を持っていますので、

ご意見に賛同する部分はあります。

 

けれど、

 

それだけだと、中々上手くすすまない 

ことも多い、、、

 

と思う部分も自分の経験上あります。

 

。。。

 

禅では、

二元論で観ない

ことを基本としています。

 

二元論というのは、

相対的なものの見方のことです。

男女、右左、生死、善悪、表裏などのこと。

私たちの住む世界に

たくさんあります。

 

そして、

そのすべてを超越して、

捉えていくことが、

禅の教えの基本

となっているのです。

 

とても重要な教えなので、

関連した禅語も数多くあります。

 

・・・

 

そんな中、

今回あえてご紹介したいのは、

不二(ふに)

という禅語です。

 

この禅語は、

世の中は

2つに分けられない

ことを説いている禅語です。

 

たとえば、

色の白黒はまさに二元論ですが、

そもそも色とは

だれが決めたことなのでしょうか?

 

色は、

光の加減によって変化します。

 

その現象に対して、

私たち人間が

勝手に名前をつけました。

 

すべての光が当たれば白になり、

すべての光が失われれば黒になる。

ほかの色は、白と黒の間で

グラデーションされているだけのことです。

 

突き詰めて言えば、

白黒などない。

ということを

不二という禅語は言っているのです。

 

・・・

 

コミュニケーションについても

同じこと。

 

意見や議論に

白黒など初めから存在しません。

その間には、

無限で多様な、

それぞれの考え方があるのです。

 

つまり、意見の違いに

こだわることすら不二

なのです。

 

禅の教えは、

知らぬ間に生活に

根付いていますから、

日本人があいまいな議論を好むのは、

むしろ当然のことなのかもしれません。

 

・・・

 

ご相談内容に戻りますと、

会議に役立つ禅的な教え

をご所望でしたね。

 

ところが、

相手を変化させる教えは、

禅には存在しません。

 

すべては、自分です。

 

自分が変われば、

すべてが変わります。

 

自らの過ちに気がつくというのは

大変勇気のいることです。

 

自分が正しいか?

間違っているか?

それすら不二にしてみてください。

 

禅の考え方を知って、

新たな気持ちで人と関わって

みていただけたらと思います。

 

・・・

 

禅語には、

こうした世界観を教えてくれるものが

たくさんあります。

 

もともと白黒にこだわっていた方には、

ピンとくる禅語が

たくさんあるかもしれません。

 

もしご興味がありましたら

オンライン坐禅堂にも参加してみてください。

https://kokucheese.com/event/index/591431/

 

毎回新しい禅語を知ることができます。

 

ご相談いただきまして、

ありがとうございました。

それでは、また。

 

禅メソッドマスター

遠藤優子