「禅語ブログ『日々是好日』vol.53 「三福田(さんふくでん)」

6月 28日, 2021 更新 アーカイブ, 禅語ブログ

相談者 40代 男性

Q.
この人はいいパートナーだと思って
一緒に誘って会社を立ち上げましたが



実は、裏で会社の機密情報を操作したり、
私に対していわれのない誹謗中傷をしている
ことがわかりました。

自分の前ではニコニコして愛想がいいのですが、
一歩裏へ回るととても同じ人とは思えない、
常識のない行動をしていたのです。

とてもショックを受けました。

そのことを指摘すると、本性が出て逆上。
今まで仮面をかぶっていたのがバレました。

自分は、この人をパートナーだと思って
できる限り誠実に、優先的に接してきた
つもりです。

親切を行ってきたつもりなのですが、
こんなことになってしまい戸惑っています。

何か良いアドバイスがあればお願いします。

。。。

こんにちは。禅メソッドマスターの
仁木 啓至 です。

夢をもって事業を起こし、この人と信じていた
パートナーが実は、裏表があり、よこしまな
心を持った人だった・・・

気苦労も大変なものだったとお察しします。

裏切られたという感覚は、
とても悲しく、日々辛い思いを
されていたかと思います。

ただ、今そういうことがわかってよかった
かとも思います。

いいタイミングで、わかったと前向きに
とらえることもできます。

。。。

お釈迦様の教えに

“三福田”

という教えがあります。


それは、親切にする相手を間違えると
かえって自分にとって、ひどい目に
あうことがある・・・ということです。

・ 自分勝手で相手のことを考えない人
・ 感謝しない人
・ 相手を自分の都合よく利用する人

このような人は避けたほうが良いです。

では、どのような人に親切にすればいいの
でしょうか。

。。。

お釈迦さまは、親切にすべき相手を
三つの田んぼに例えて教えられています。

三つとは・・・

★敬田(きょうでん)
    敬うに値する人

★恩田(おんでん)
    ご恩を受けている人

★悲田(ひでん)
    本当に困っている人

こういう心や行いをしている人に親切にすると、
自分が蒔いた種がまるで、豊作の収穫の時の
ように、大きな実りになって帰ってきます。

田んぼは、秋になると、春にまいたモミダネ
とは比較にならないほどたくさんの米が
収穫できます。

だから、お釈迦さまは田んぼに例えられました。

まわりにいる人が、どういった人なのかを
見極めることが必要とお釈迦様も
おっしゃっておられます。

人を見極めることはなかなか難しいかと
思いますが、良くない人に親切にすると、
かえってトラブルにあったり、面倒なことを
おしつけられたりすることがあります。

この教えを知る前は、私も親切にした人から、
なぜか困った問題を起こされるということが
幾つかありました。

あとになって考えてみれば、
ああなるほど、親切にしてはいけない人に
親切にしていたからだなと、改めて
この教えを実感するようになりました。

親切にすることは悪くないのですが、
よく人を見極めて自分の親切の種を
まくことも大事です。

過去を変えることはできませんが、
大事な人こそよく見極めて、お互いに
実りのある幸せな人生を作っていって
頂ければと思います。

今後は、三福田の人に親切をし、
豊かな幸せになるよう願っております。

禅メソッドマスター 仁木 啓至