こんにちは、禅メソッドアカデミー学長の
島津です。
先日とある大手企業管理職の方から
個人的にこんな相談を受けました。
「上司からの圧がきつくて
このまま会社に居続ける気持ちが
どんどん失われてきています。
自分でも、どうしたらいいか
よくわからないんです・・・」
オンライン越しに話すその表情は
本当に疲れていて苦しそうです。
そこで私はこんな提案をしてみました。
「そんなに上司が嫌なら
辞表を書いたらどうですか?」
「えっ?」
私の言葉にその方は言葉を失っていました。
続けてこう伝えました。
「その苦しみって今の立場や収入、周囲の評価などに対する執着から生まれてるんじゃないですか?
だったら辞表を書いてみたらどうですか?」
さらに驚いた表情を見せた後、
その方はこう言葉を発しました。
「確かにそうかもしれません。
スピード出世して評価をしてもらっているのは
大変有難いです。
ですが、上司に強く言われて反論すると
これまでの評価が下がってしまうのではないか・・・
そんなことを怖れている自分がいます。
でも思い切って辞める覚悟があるかといえば
そこまでないんですよね、正直・・・」
そこで私はこう言いました。
「せっかく会社がここまで評価してくれてるんですから
本当にやめる必要はないですよ。
辞表を書いてみて、心にどんな変化が起こるか
一度やってみては如何でしょう?」
「わかりました。やってみます・・・」
それから1ヶ月ほど経ち、またお話する機会がありました。
「島津さんに言われた通り、辞表を書いてみました。
いやあ、思っていたより緊張しますねー、手が震えました(笑)」
そう言いながらも
明らかにその表情は晴れ晴れとしています。
「辞表を書いてみたら、なんだかスッキリして。
自分ができることを精一杯やるしかないんだなって。
そんな気づきがあったんです。
精一杯やってそれが評価に繋がらないんだったら
俺を切ってみろと(笑)」
さらにそれから1ヶ月後、また報告がありました。
「島津さん、実は今年から昇格することになりまして。
もうこうなったら腹を括ってこの会社で頑張ります」
と。
実は若かりし頃の私にも同じ経験があります。
会議でおかしいなと思ったことがあっても
なぜか自分の本心を言えない。
本心を言えないと胸が苦しくなる。
そんな悶々とする日々を過ごした結果
私は本当に辞める覚悟をし、辞表を書きました。
その辞表を書くという行為により
その後は自分の考えを
ズバリ言えるようになったんです。
「切るなら切ってみろ!と(笑)」
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今日ご紹介する禅語は
「覚悟」
です。
覚も『覚(さと)り』
悟も『悟(さと)り』
覚悟とは執着を手放した状態。
『覚悟』こそ究極の悟りです。
苦しみは必要以上の
「欲求や執着」
が生み出すのです。
人間にとって究極の覚悟とは
「死」に対する覚悟です。
肩書きや評価に対する執着を捨てて
今のキャリアの「死」を
一旦受け入れる覚悟を決める。
それができれば、
「本当の自分らしさ、あなたらしさ」
を発揮し、良い結果に自然と
導かれるのではないでしょうか?
いま、ここで、あなたにしかできないことを
存分に発揮してみてください。
禅メソッドアカデミー 学長
島津禅清