「禅語ブログ『日々是好日』」vol.41 「 自灯明(じとうみょう)」

3月 18日, 2021 更新 アーカイブ, 禅語ブログ

こんにちは、禅メソッドアカデミー学長の島津です。



今日は、経営やマネジメントの「軸」について
お話したいと思います。


経営やマネジメントをしていると
日々、何らかの課題が生まれ
その度に決断を繰り返すことになります。

経営者やマネジャーは
判断や決断が仕事といっても過言ではありません。

もし今のあなたがその立場にあるとしたら
その判断や決断をする軸はどこにありますか?

もちろん社内規定に沿って判断する
というのもあるでしょう。

ですが、

規定に沿って、規定に照らし合わせて
判断する作業っていうのは
誰にでもできますよね。

別にトップやマネジャーでなくてもできます。

規定以外に判断軸があるとすればそれは
会社の「理念」「価値(バリュー)」や
「行動指針」だったりします。

しかし社内規定や理念、価値や行動指針等に
照らしてもそれでも尚、判断に迷うことが
実際の現場では起こります。

そして規定や社内の価値をもってしても
判断に迷うことというのは実は極めて人間的なこと、
本質的なことだったりします。

例えば、AさんとBさんの意見が
真っ向から対立していたり

例えば、利益を追求しすぎるあまり
倫理的な判断を迫られたり・・

こんな時、私の判断基準はどこにあるかというと

それは「自分自身」「奥底の自分」だったりします。

そんな時は拙速に判断せずに
ひたすら自問自答を繰り返します。

「一人会議」をします。

自分自身の「本心」に問いかけます。

「人としてどうあるべきか」

「自分の中のこの違和感はどこからくるのか」

と自問自答を繰り返します。

だから経営やマネジメントでは何よりも
「人間を学ぶ」ことが大事だと思うんです。

「人間の心」を学ぶことが大事なんです。

様々な困難に直面する度にこれまで何度も

「人間とは何か?」「自分とは何か?」
「自分の使命ってなんだろう?」

深く考え続けてきました。

ここで禅の言葉をご紹介したいと思います。

「自灯明(じとうみょう)」

という禅語です。

「自らを拠り所とせよ、
自らを灯明(あかり)とせよ」

という禅語です。

ブッダの最期が近づいた時、
弟子たちはブッダに言いました。

「あなたがいなくなったら、いったい私たちは
何を頼りにすればいいのでしょうか?」

ブッダは言いました。

「自灯明。

私(ブッダ)ではなく自らを拠り所とせよ」と。

経営やマネジメントは決断の繰り返しです。


決断の千本ノックです。


高度な決断を繰り返すために、
多くの本を読み(知識を蓄え)

多くの実践を重ね、
そこから湧き出る智慧を積み上げていきます。

今でこそアカデミーでこんな教えを説いている私ですがこれまでも多くの失敗や挫折を重ねてきました。

私の判断が間違っていたことから
離職してしまった部下もいます。

それでも現場は待ってはくれません。

「いま」という瞬間と懸命に向き合うしかありません。

今日も、自らを拠り所とし、一人会議をし
決断の千本ノックを繰り返していきたいと思います。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。