「禅語ブログ『日々是好日』」vol.27「当断不断、反受其乱」

7月 27日, 2020 更新 アーカイブ, 禅語ブログ

長年付き合ってしまった不倫相手に
別れを告げるために必要なこと

  

相談者 49歳 バツイチ 娘と二人暮し 

  

Q、

13才年上の不倫の交際相手がいます。
別れたいんです。
でも、別れたいって、まだ言ってません。

 

早いもので、7年も付き合ってしまいました。
情けないことに、
毎月のお手当てをもらっています。

 

ずーっと、本当は別れたほうがいいと思いながら、
ずるずると別れられませんでした。

 

別れたい理由は、言葉の暴力です。
俗に言う、パワハラだと思います。

 

嫉妬が激しくて、行動の管理などがうるさくて、
この7年間、いつもビクビクしてきました。
彼への愛情は、もうありません。

 

都合が良いと言われてしまうかもしれませんが、
娘が大学を卒業し社会人になったこともあり、
これからは自分のことだけで
良くなったということもあります。

 

どうしたら、別れを切り出せるでしょうか?

 

。。。

 

自分の人生を立て直すチャンスです。
勇気をふりしぼって
変化を起こしましょう!

 

 

 

ご質問ありがとうございます。

 

禅メソッドマスターの鈴木慧嘉(すずきけいか)

俗名 三穂子です。

 

まず、何はともあれ、
子育てが無事に完了してよかったですね。
いろいろなご苦労があったことでしょう。

 

 

そして、さぁ、いよいよこれからは、
ストレートに自分のことを考えられますね。

 

 

 

おめでとうございます!!

 

 

 

えっ、おめでとうございますって

 

変な感じがしますか?!

 

 

あなたは今、
とても言いにくいことを、お伝えになりました。

 

ものすごく勇気を出して
発信なさったのではないでしょうか?

 

不倫の関係があるだけでも、
相当肩身がせまい思いをされていたことでしょう。
金銭的な援助を受けていたとなると、
なおさらですよね。

 

でも、あなたは発信なさった。
それは、変化の第一歩を踏み出したと言うことです。

 

 

いやいや、まだ何にもしていないし、
どうしたらいいかもわかっていないし・・・
そもそもこんな自分はダメだし・・・

 

そう感じましたか?

 

でも、私はすでに
お祝いを伝えたいくらいの気持ちです。

 

その理由を解説しますね。

 

 

 

「別れたいなぁ、
別れた方がいいんですよね・・・」と、
「別れたいんです。」は、雲泥の差!

 

 

え〜!
そんなの言葉の小さな違いでしょ。

 

そう思われるかもしれませんが、
これが結構そうでもないんです。

 

人は、自分の心に少しでもためらいがあると、
言い切ることが難しいのです。

 

 

でも、あなたは
「別れたい」「愛情はない」と
きっぱり言い切っていらっしゃる。

 

 

おそらく、7年間の長いお付き合いの中で、
何度も、何度も
お考えになったことでしょう。

 

誰だって、そもそも世間から
非難されるような関係を
継続したいはずがないからです。

 

生活のこと、お子さんのこと、仕事のこと、
あなたが様々なプレッシャーの中で
必死に守ってきたものがあって、
別れを決断できなかったのではないでしょうか?

 

彼からの言葉の暴力で、
傷ついたこともあったことでしょう。
一度や二度のことではないはずです。

 

それでも、あなたが別れられなかったのは、
「金銭的な援助を受けていた」
という弱みがあったからですね。

 

この弱みは言語化されていませんが、
自分に対する落胆や、
悲しみ、怒りのようなものになっていったとしても
何の不思議もありません。

 

他者に対する落胆や怒りではありません。
自分に対する不甲斐なさ、後ろめたさです。

 

 

にもかかわらず、
自分を傷つけながら
あなたはその関係を維持し続けてきました。

 

全く、他者には理解されないけれど
あなたには、他に道がなかったのかもしれない。
いや、ただ、勇気がなかっただけかもしれません。

 

 

「何れにしても、
劣等感の中でじっと、
しゃがんでいたようなもの」

 

 

自分で選択したこととはいえ
さぞ、辛かったことでしょう。

 

人は自分への期待を失い、
希望を失いながらも変わらずに
生きることなどできないのです。

 

もし、それが続いているなら
心身のバランスを崩しても不思議はありません。

 

 

 

でも、あなたは今、決断しました。
ですから、私は

 

おめでとうございます!

 

と、お伝えしたいのです。

 

 

 

 

そんなあなたに
お伝えしたい禅語は、

 

 

「当断不断、反受其乱」

ことわるべきときにことわらざれば、

かえってそのらんをまねく『碧巌録』

 

 

です。

 

この禅語は、
断ると言う意思表示を明確にしなければ、
結果として、周囲に混乱をもたらし、
迷惑をかけることになるという意味です。

 

 

一般的にも
はっきりと断ることが苦手な人は結構います。

 

その理由は、

雰囲気を壊したくない

相手との関係を悪くしたくない

相手に嫌われたくない

などです。

 

 

でも、いかがでしょう?

 

もうすでに、あなたの中には
彼に対する愛情がありません。
もしも嫌われたとしても、
何も問題はないのです。

 

そして、はっきり別れを伝えれば、
あなたが今まで抱えてきた劣等感を
すべて手放すことができます。

 

世の中から逃れるように
生きることも
世の中から責められることも

ありません。

 

今こそ、
自分の中にある劣等感を克服する時では
ないでしょうか?

 

 

あなたがしてきたことは、
世の中から認められるようなことでは
ありません。
でも、それはすべて過去のこと。

 

 

過去のことなんか捨ててしまいなさい!

 

それよりも
今この瞬間を
いかに生きるのか?
これが今のあなたの課題です。

 

 

大丈夫です。
もう、あなたはすでに決断なさっています。

 

 

彼との決別は
あなたの劣等感との決別です。
自分の人生を立て直すチャンスを
逃さず進みましょう!

 

あなたの未来を作るのは
他でもないあなた自身です。

  

 

禅メソッドマスター 鈴木慧嘉(すずきけいか)

 

*参考文献 おやすみ前の5分禅 島津清彦